親も困る小学生の読書感想文の書かせ方 【夏休みの宿題】

  • 投稿 : 2011-08-20
  • 更新 : 2014-06-25

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要約

・箇条書きに思ったことや考えたことを書く
・「1文」を並び替えて、文章の構成(起承転結など)にしたがって配置してみる
・文章をつなげるために、接続詞やつなげるための補足文章を書く
・文末は単調にならない様に、同じ文末(思った)にならないようにする
・「小結論」を先に書いて、最後にまとめで「結論」を書くのが意外と楽

本記事をまとめると上記のような感じです。
ビジネス文章を早く書く方法とか、素人もどきのブログライター案件の書き方の注意にも似たような方法論は載ってはいます。

親も困る読書感想文


夏休みの宿題の読書感想文は、親も困るところです。
それ以前に小学校では読書感想文の書き方をあまり教えていないのです(と思われる)。原稿用紙の使い方や起承転結などは教えてますが、実際にどのように表現したらよいのか、どのように文章を構成していけばよいのかという点について教えていないようです。

本選びが大事

読書感想文を書くには本選びが大切です。課題図書などがあったりしますが、課題図書は実際には感想が書きにくいのです。課題図書に選ばれるものが微妙すぎるんです。名作でもなんでもないものが選ばれるのが不思議です。

一番簡単なのは、区や市の図書館にいって職員にお勧めの本を教えてもらうことです。児童書とかそういうのに詳しくないとダメなのですが、今でも大丈夫だと思います。

私がお勧めするのは、日本の作家の近代小説家(夏目漱石、芥川龍之介、宮沢賢治、太宰治、新美南吉)などで短編で、内容が道徳的な要素があるものを選ぶのが比較的書きやすいです。また短編ならなんども読み返すことが可能です。

青空文庫で内容をあらすじ程度に確認して、図書館で借りたり購入してもよいと思います。なるべく学年にあった形態の本がよいです。文章量や内容が編集されてちょうどその学年レベルで読めるようになってるからです。

あとは、海外作家の定番とか有名なものですね。図書館に必ずあるとか、昔から読み続けられているとかそういうのです。

上記の本は、みんなが知ってることが前提になってますから、あらすじの説明なども読書感想文に書かなくてもよいという利点があります。感じたこと、考えたことを中心に書くだけでよいので課題図書よりも逆に難易度が下がるわけです。

拒絶反応があって、本自体を読まないんだけど?

どうしても文字ベースでは読めないという場合は、一部には漫画版というものも存在します。漫画版をよませてあらすじがわかる程度になれば、文字ベースでも読めるようになる子がほとんどです。もちろん、文字ベースで読むことも大事なのですが、読書感想文を書くという目的の中には本を読むという以外の大事な要素もありますのでそういうことにこだわらなくてもよいでしょう。

マンガが抵抗あるなら、映画(DVD)とか映像関係を見せてから、該当する本を読ませるのが良いでしょう。これは、定番だとか名作だからできる手法です。

注意点は、あくまでも普通の本も読ませてその本ベースに感想文を書かせるようにはしましょう。逆にここをチェックすることで、本当に本を読んだかどうかがわかります。このあたりはゲーム感覚で、本のどこに書いてあったか?という感じで対応していけばよいでしょう。

感じたことは箇条書きで書き出させる

文章を書けないという場合は、多くの場合は文章の構成能力がない、表現能力がない場合が多いです。そこで、なんでも感じたことや思ったことを紙に箇条書きに書き出すようにさせてみましょう。

もし、箇条書きにもできないようでしたら、親が質問する形式で書かせるようにしてみてはどうでしょうか?

箇条書きができたら、その内容が十分ならそこから文章を構成していく手助けをしてあげましょう。箇条書きレベルで不十分でしたら、その箇条書きをベースに質問して量を増やすなり、内容を増やすなどしましょう。

文章の構成の方法の一つは、その本を読んで子供は何を言いたいか、感じたか?ということを聞きそれがメインになるように構成します。起承転結が理想ですが、そうならなくても問題ないですのでそういうのは逆にあきらめるほうがよい場合もあります。

もっとも言いたいことと関連ある要素を選んで、それを関連付けそれらしく構成していくと意外とうまくいきます。
ファッションで言えば同系色でまとめるとかそういう感じです。言いたいことがアクセントで、それはそのファッションのメインです。

注意事項は、親が誘導したり、親の考えを押し付けないことです。あくまで子供主体で、内容が変でも雑でも、子供の意図と違う装飾などはしてはいけません。その行為は教育としては最悪です。

接続詞や語尾を変更する

低学年では、箇条書きの寄せ集めが精一杯の場合もあるでしょう。しかし、この状態であっても接続詞や語尾を少しずつ変えるだけでもものすごくよくなります。

「XXXXだと思った」の羅列の場合は、「思った」を「考えた」「感じた」「想像した」「共感した」「疑問に感じた」「感動した」などのように少し語尾を変えたり表現を少し変えるだけでも変わります。

また必要以上に接続詞はいりませんが、適度にいれると文のつながりができて一体感があがります。箇条書きから、段落にかわるわけです。

あとは文章をなるべく短くするということです。長い1文はたいていの場合は短い複数の文に分けることができます。短い文章の組み合わせのほうが、長い文章よりも読みやすくそれでいて文章にメリハリがつけやすくなります。

主語を省略する、語尾の過去形を現在形に

「わたしはXXXだと思いました」の羅列である場合、上記のこと以外にも工夫できることはたくさんあります。
まずは、主語を省略できる場合は省略します。「わたしは」と何回も単発的にでてくると変に感じるからです。
また、「思いました」以外に、「思います」などのように現在形で終わるものも含めるとテンポがよくなる場合があります。

内容は変わらない、言ってる内容も変わらないのに、すこし変えるだけで読みやすくなったり内容自体がよくなったりします。要は簡単なテクニックでもよくなるということです。

結論を先に書くスタイル

「小結論 = かわいそうに思った」という結論を先に書いて、それはなぜか?、そう考えに至った理由とかを書いて、最後に、こういう事が起こらない世の中になればいいのにみたいな結論を書くという手法ですね。

起承転結にこだわる必要はあまりありません。

小結論 - 理由 - 結論

でも十分です。この書き方は、論理的にかけるというメリットもあります。
「転」の部分にこだわるよりも、言いたいことを素直に伝わることを目指したほうが、よいかと思います。
確かに、「転」があると読ませる文章になりますが、それは必要以上に難易度を上げている可能性があるからです。

読書感想文

読書感想文というのは実は大変難しいと思います。
読解力があるだけでは書けないのです。表現力があってもかけません。
自分なりの考えがないと書けないものなんです。

自分なりの考えというのは小学生に求めるのは非常に難しく、多くは大人の言ってることのコピーなんですね。要領のいい子は、そのコピーを書くわけです。しかし自分の考えでない自分の言葉でないものをうまく表現するのは非常に難しいのです。

読書感想文は無意味だという人もいますがある意味正しいとは私は思います。
ただ、勉強などと同じでコツさえつかめば普通程度のものは書けるようになると思います。

たとえば、こんな本

注文の多い料理店(宮沢賢治)
よだかの星(宮沢賢治)
セロ弾きのゴーシュ(宮沢賢治))
羅生門(芥川龍之介)
トロッコ(芥川龍之介)
最後の一枚の葉(オー・ヘンリー作)
文鳥(夏目漱石)
走れメロス(太宰治)

個人的にお勧めできる定番の本

前者は即時解決路線ではない。後者は苦手意識を取る目的には使える。

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