「100円のコーラを1000円で売る方法 」から学ぶ「マーケティング」の基本

  • 投稿 : 2012-07-04
  • 更新 : 2015-03-21

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Appleのマーケティング

Appleはマーケティングがうまいんですね。フラットディスプレイ流行の時代に湾曲モニターを売ることに成功した過去もありました。それは、初代iMacです。

・ターゲット顧客 パソコン初心者
・提供する価値  インテリアにもなるデザイン、かわいい
・販売価格     低価格
・販売チャンネル 家電量販店?

湾曲モニター欠点を、デザインの一部にすることにより爆発的な大ヒットになったのです。
湾曲モニターの利点もあります。それは低価格ということです。

欠点を逆に目立たせることで長所にし、部品の低価格メリットを利用して低価格で販売するということを実現しました。

これ以降、安いパーツ(部品)に付加価値をつけて販売する手法がAppleでよくつかわれるようになりました。

これを価値観をかえると
低価格とはいえ、湾曲したようなモニターを使った質の悪いパソコンなんて売れないよとかそういう人もいるでしょうし、実際マーケティングが悪ければそういう結果になりかねなかったと思います。

※湾曲モニターを使ったことがない人にはわからないかもしれませんが、四隅の部分が少し歪んで表示されるんです。


マーケティング、営業

・商品が悪いから売れない
・商品の値段が高すぎるから売れない

100円のコーラを1000円で売る方法-永井 孝尚 」は、このような批判をする社員がいる零細、中小企業の社長さんにおすすめの本です。この本を数冊買って、社員に読ませて感想文を提出させることで社員教育できるかもしれません。

冗談はともかく、
商品が他社よりも明らかに良くない、明らかに高いというのは結構ありがちな話で、だからと言って商品がすぐに良くならないし、また安くすることもできないことは多々あります。

長期路線でそれは解決していくべき問題かもしれませんが、しかし現状はすぐに変わらないし現状を何とかする必要があることを忘れているマーケティングや営業の人がいるわけですね。

100円のコーラが1000円で売っている場所

大阪のリッツカールトンホテルのルームサービスのコーラの値段(1035円)のことを本書では書いています

・ターゲット顧客  リッツカールトンホテルを利用する客
・提供する価値  快適さ
・販売価格     1035円

付加価値なんですが、それはターゲット顧客とペアーで考える必要はあると思います。なぜ、1035円という価格を設定できるかというと、付加価値というよりかは、ある一定以上のお金持ちだからです。

その層が求めている快適さでは、外で100円で売ってるとしても買いに行くのは野暮だからです。

庶民だって、旅行中は贅沢することも多いかと思いますが、その時に旅館の外で食べればもっと安いということで安い食堂に出かけたりしないのと同じだと思います。

付加価値というのは、物質的なものだけでなくてムードなどのものが含まれるわけです。

たとえば、京都の料亭とまったく同じものが安い価格で食べられるところがあったとしても、その話と、京都の料亭でこの価格は高すぎるという話とは別なわけですね。庭を眺めながらとかそういう一つずつが付加価値と呼ばれるものなんです。


ターゲット顧客、提供する価値、販売価格、販売チャンネル

本書のP174で「社長の会計ソフト」のTVCM?にキムタクを採用する話が出てくるのですが、そこで「ターゲット顧客、提供する価値、販売価格、販売チャンネル」から考えて、それが妥当かという話がでてきます。

マーケティング理論はいろいろありますが、この4点の要素をその都度整理すれば、私のような素人でもある程度はその戦略が理解できるようになります。


本書の内容

本書のサブタイトル「マーケティングがわかる10の物語」のように10個の話で構成されています。

・アメリカの鉄道会社はなぜ衰退したのか? - 事業の定義
・「お客さんの言いなりの商品」は売れない? - 顧客絶対主義の落とし穴
・顧客の要望に100%応えても0点 - 顧客満足のメカニズム
・値引きの作法 - マーケットチャレンジャーとリーダーの戦略
・キシリトールガムがヒットした理由 - バリュープロポジションとブルーオーシャン戦略
・スキンケア商品を売り込まないエステサロン - 競争優位に立つためのポジショニング
・商品を自社で売る必要はない - チャネル戦略とWin-Win関係
・100円のコーラを1000円で売る方法 - 値引きの怖さとバリューセリング
・なぜ省エネルックは失敗してクールビズは成功したのか - コミュニケーションの戦略的一貫性
・新商品は必ず売れない? - イノベーター理論とキャズム理論

宮前 久美という女性の主人公で小説風に話が進みます。既存のマーケティング理論を読みやすい形で書かれていると思います。ターゲットは、マーケティング?初心者向けだと思います。


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