プロフェッショナル シンキング (BBT大学シリーズ)を読んでみた

  • 投稿 : 2015-08-17

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株式会社ビジネス・ブレークスルー(所在地:東京都千代田区、代表取締役:大前研一、以下BBT)が運営する「ビジネス・ブレークスルー大学(学長:大前研一、以下BBT大学)」が公式書籍として2015年7月24日に発売した「プロフェッショナルシンキング」がamazonのkindle版「経営学・キャリア・MBA」カテゴリ、単行本「ロジカルシンキング」カテゴリで1位を獲得、売れ行きが大変好調のため重版が決定いたしました。
好評につき、重版決定!BBT大学・公式書籍「プロフェッショナルシンキング」amazon経営学・キャリア・MBAカテゴリ等で1位獲得 - ライブドアニュース

・1章-2章 宇田 左近 (思考逃避について)
・3章-5章 平野 敦士 カール (プラットフォーム戦略)
・6章-8章 菅野 誠二 (マーケティング)

■思考停止しない為に
本書では「思考逃避」とかかれてるが、たぶん従来は思考停止とかいわれていた現象だと思う。

■手法や考え方
・アナロジー思考
・シナリオ・プランニング
・デザイン思考
・プラットフォーム戦略
・6C分析
・時代分析
・シナリオ・プランニングによるバックキャスティング 
・ラダリング法

本書の流れを簡単にまとめると上記のような感じかと思います。
思考逃避をしていないか?しているとしたら、どうすれば思考逃避が防げるのか?というようなことを前半部に精神論的なアプローチで書かれているかと思います。

その防ぐための手法として、それ以降書かれていて、いろいろな手法や考え方がでてくるのですが、個人的にはとりあえず手法とかはある程度は機械的に適応すれば使えるので、そういうのは知っておいても邪魔にならないかなぁとは思う。

手法や考え方は所詮は道具なので、道具を持ったからと言って有効に使えるかとかは別だとは思う。あと、実際には上記のようなキーワードや考え方をしらなくても、知らず知らずに使っている場合もあろうかと思う。

「BBT大学シリーズ」「大前健一 監修」なので、そういう色合いというか味付けがなされている本だというのは前から?で初めて読む人は戸惑う感じはあるかもとは思う。特に前半部がそういう色合いが強いと思う。あと3人の著者によって書かれているので、全体としてのまとまり感とかも微妙な感じではあるが、てんこ盛り状態と考えれば悪くないんじゃないかなぁとは思う。

ちょっとまとめてみましたが、もちろん本書はもっとわかりやすく丁寧に解説されています。引用した画像とかを見ていただければそのあたりはよくわかるかと思います。

こういった近年のはやりの考えとかを手っ取り早く知りたい社会人が読むのにはいい感じだと思う。

アナロジー思考

 「斬新なアイデアと言うが、結局はどこかに既にあるものの組み合わせである」とはよく言われることです。つまり発想とは「借りてきて、組み合わせる」ことであり、アナロジー思考とはこの「借りてくる力」の方に相当します。


 アナロジー思考というのも「一見、全く違うように見える2つの世界の共通性を見つける」という点は謎かけに似ています。ただし謎かけとの相違点は、「似ている」ことの意味が違うことと、単に類似性を見つけるだけでなく、2つの異なる世界を発見したらよく知っている一方の世界から、よく知らない他方の世界へ徹底的にアイデアを借りてくるという点です。アナロジー思考のイメージを図に示します。
新しい発想は「遠くから借りてくる」:日経ビジネスオンライン

成功しているビジネスモデルをアレンジして、新しい分野に適応するみたいな感じの思考を「アナロジー思考」というそうです。たんなる「物まね」「パクリ」でないという部分が重要です。

たとえばアメリカで成功しているものを、日本の風土に合うようにアレンジして同じような商売を始めるとかいうのもそういう「アナロジー思考」的なものだと思われます。


シナリオ・プランニング

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第4章 P109
「未来を予測する最善の方法は、その未来を創造することだ」
 これは「パソコンの父」と呼ばれ、ユーザーインターフェースの進化に貢献したアラン・ケイ氏が語った言葉です。「未来は自らが切り開くものだ」と言い換えることもできるでしょう。私も、このような考え方が好きです。ただ、不確実性が高く、未来が一点読みしづらい今日では、「一度客観的に起こりうる未来を考えたうえで、意志を持つ」というステップを踏むべきではないかと思っています。
第3回 不確実な未来に備える戦略ツールとしてのシナリオ・プランニング | BizCOLLEGE <日経BPnet>

不確定な未来に対処する方法論として「シナリオ・プランニング」というものがあります。

将来起こり得る可能性のあるシナリオを数個考えて、どれが現実化されても対応できるようにするという方法論・館あげ方のようです。ただし、シナリオの数が増えすぎると現実的ではないので、マトリックスで全パターン洗い出せばよいという簡単なものでもないようです。

デザイン思考

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第5章 P114
 デザイン思考は、アメリカのデザインコンサルティングファームIDEO社のコンサルティングノウハウから発展し、アップル(Apple)社の初期のマウスや、パーム社のPDA(Palm V PDA)、無印良品の壁掛け式CDプレーヤーを生み出したことで知られ、P&GやGE、サムソン、ノキアといった大企業が事業戦略に導入するなど、世界的に注目を集めている。


 IDEOのCEOであるTim Brownによれば、デザイン思考は、「デザイナーの感性と手法を用いて、人々のニーズと技術の力を取り持つ」領域を専門とし、「実行可能なビジネス戦略にデザイナーの感性と手法を用いて、顧客価値と市場機会の創出を図る」ものと理解される(Brown, 2008)。
0から1を創り出すデザイン思考 ― 新たなイノベーション創出手法 - Build Insider

デザイン思考の優れたところは、「潜在的なニーズ」や「新しいニーズ」を作り出せることにあるかと思います。デザイン思考の手法というのもある程度確執されていて、上記の図のように行えばある程できるようになります。

プラットフォーム戦略

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第5章 P139
プラットフォーム戦略とは、関係する企業やグループを「場=プラットフォーム」にのせることで、新しい事業のエコシステム(生態系)を構築する経営戦略です。

日本における代表例は、インターネット・ショッピングモールの「楽天市場」でしょう。ご存じのように、楽天自体がモノを売っているわけではなく、「楽天市場」という場に、モノを売りたい小売店をたくさん集めている(図参照)。


私がNTTドコモ時代に担当した「おサイフケータイ」も、消費者と店舗を携帯電話でつなぐプラットフォーム戦略のひとつです。このサービスによって、通信会社であるドコモは、日本で10指に入るクレジットカード会社になりました。
<プラットフォーム戦略>アップル、アマゾンを超えるビジネスモデル -平野敦士カール氏 これが「ライバルを出し抜く」3大メソッドだ【2】:PRESIDENT Online - プレジデント

エコシステムを構築する経営戦略といえば、よくわかるのではないか?と思う。

マイケル・ポーターのCSV

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第6章 P109
「ポーターの言うCSVとは、善行的な社会貢献という従来のCSRが抱えた限界を踏まえた上で、社会的な課題の解決と企業の競争力向上を同時に実現するという意味。『事業戦略の視点で見たCSR』と言い換えてもいいと思います」

 ただし、CSVが、本来のCSRに置き換わるものではないという点には注意が必要だという。川村氏は、「CSV=儲かるCSR」という安易な理解にも警鐘を鳴らす。
共通価値の創造(CSV)|ダイヤモンド・オンラインPlus

6C分析

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第6章 P170
3Cとは、「顧客(customer)」、「競合(competitor)」、「自社(company)」の頭文字。
分析の順序としては、あくまでも「顧客」が出発点となるべきです。
ITCプロセスガイドラインでは、企業の分析を行う際、一般的な環境分析・戦略策定時のフレームワークである「3C分析」に

社会的責任 (CSR(Corporate Social Responsibility))
企業の独自能力 (Core Competence)
個人能力 (Competence)
の3つを加えて、6Cの観点から、企業として必要な対応のバランスを取るように求められている。
6C分析 | NBIコンサルティング株式会社

・顧客(customer)
・競合(competitor)
・自社(company)
・社会的責任 (CSR(Corporate Social Responsibility))
・企業の独自能力 (Core Competence)
・個人能力 (Competence)

これもある程度は機械的にできる分析手法なので、知っていると便利に使える時もあるかも。

時代分析

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第6章 P180-181

6C分析を時間軸にひろげた分析方法のようです。

ラダリング法

ラダリング法とは、商品やサービス、ブランドが持つ特徴がどのようなベネフィットや価値をもたらしているのかを明らかにする定性分析手法です。
ラダリング法 | 分析手法 | サービスメニュー | 株式会社 電通マクロミルインサイト

出てきた答えに、「なぜ?」「なぜ?」「なぜ?」というのを突きつけて掘り下げていくというやり方などがあった気がする。



レビュープラスさん経由で、「プロフェッショナル シンキング (BBT大学シリーズ) -Amazon」をいただいて、本エントリーは書いています。
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