「偉人の言葉で知る軍事」を少し読んでみた【冬山 林蔵】

  • 投稿 : 2016-03-11

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この本の特徴はタイトル通り、「偉人の言葉」をちりばめて構成されているという部分があるかと思います。あと、軍事からの学ぶビジネスの戦略本なのかなぁと最初は思ってたのですが、そうではないようです。

ただ、本の内容は、左寄りの僕が読むのは微妙かなぁという気がしています。まあ、思想とかを意識しないのなら、楽しく読める文体ではあるかと思います。

流し読みでは、本意(本質)見ないなのはわからないのですが、まあ、こういう考え方の人もいるという参考意見的な読み方は可能なぁという気はしてます。

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P12
「愛」「金」「軍事力」をリーダーの視点から並べ直すと「軍事力」>「金」>>>「愛」」の順番になります。
P12

この本の作者の価値観は、上記にあるかと思います。本書の最初のほうに書かれています。図にもなってるのでわかりよいかと思います。

ただ、論理展開が単純明快化していないので、批判したい気持ちがあっても、よく読み切らないとできないと思います。リーダーの視点(会社運営・国運営、経営者、政治家)からみたら、まあ、そういうのはあるかもという感じなので、「愛」一番低いとしても驚くに値しないわけでね。

「愛」を大義にしか使ってないんじゃないのではというのは日本だけでなくて世界もそんな感じだとは僕は思います。

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P229
100年前、大国であった日本には、たった一つの命を他人のために使える人で溢れていました。
 人生とは何か。人のため、子供や子孫のために命を使うことではないでしょうか。
P229

著者の根底に流れる思想は、たぶん、これだと思います。

「たった一度の人生を他人のために使える人であふれてました」とは微妙に意味合いが違うようには思います。まあ、ある価値観の人たちには一緒かもしれませんがね。

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P37
19世紀から20世紀の半ばまでは、白人を頂点とする肌の色による階級が歴然とあり、差別が存在してました。有色人種が白人と結婚することは「進化に反する」と言われた時代です。そんな中で日本が欧米と対等に付き合えたのは、ひとえに軍事力によりますが、日露戦争後の日本人は、軍事力がお金や愛よりも大切であることを忘れてしまいます。この油断が国を滅ぼすのです。
P37

まあ20世紀の半ば?あたりまでは、そういう差別が存在したとは思います。

イエローモンキー(yellow monkey)
黄色人種(東アジア人)に対する蔑称である。人種差別も参照。
イエローモンキー - Wikipedia

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P174
「日本兵は世界一強かった。我々が勝利することができたのは、幸運だっただけだ。日本の戦争指導者は、世界一愚かだった。我々が勝つことができたのは、当然だった」
(米国歴史家 ロバート・レッキー)
P174

「偉人の言葉」は、こういう感じでちりばめられてます。代弁みたいな感じで使われてる個所もある感じはします。内容なともかく、こういう偉人の言葉をちりばめてあるのは、楽しめるかと思います。

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P176
明治維新後、武士階級は消滅しますが、武士の道徳は全ての国民に普及します。教育と徴兵制度、普通選挙などにより、「忠節」「廉恥」「信義」「規律」「尚武」「自己犠牲」といった武士の徳目は全ての階層に受け継がれました。
徴兵制で集められた兵隊は、こうして日本存続の最後の砦となったのです。
P176

歴史の知識がなければ、とりあえず、うむうむと読みすすめるしかないわけですけどね。ちょっと、その徳目?の用語は一般的なのかなぁと思いつつ・・。

第1法則
ランチェスターの第1法則はいくつかの前提に基づいた場合にだけ適合する一次方程式の戦闘モデルである。ランチェスターの理論でその前提は次のように整理される。

1.両軍は相互に射撃を行なうが、互いに相手の部隊の全てを有効な射程に収めている。
2.両軍の部隊の戦力は兵員と武器の性能によって同様に決まっているが、両軍の部隊が発揮できる戦闘効果は異なっている。
3.両軍とも相手が展開している地点の情報を持たない。したがって、射撃の効果がどれほど得られるか不明なまま戦場の全体に対して射撃を行なう。
4.両軍とも戦闘において残存する両軍の部隊は展開しているが、その部隊の配置は決して形式的に定まることはない。

このような前提を踏まえれば、狭隘な地形において対峙している一対一の戦闘部隊による戦闘をモデル化したものと見做すこともできる。このモデルはいくつかの要因を含んだ次のような方程式として示すことができる。
ランチェスターの法則 - Wikipedia

あと、ランチェスターの法則の話とかも出てきます。これって、軍事と関係あったんですね・・・。
P197あたりで出てきてます。


本を流し読みしただけで内容を理解できていないという部分があり、雑多な紹介になりましたが、本書の雰囲気とどういう系統の内容が書かれてそうかは想像できるかなぁと思います。

興味がありましたら、Amazonのレビューなども参考にしながら、読んでみるかどうかを検討されてはどうかなぁと思います。

また最後のページに参考文献一覧が乗っているので、この本が気に入れば、参考文献の中から次の本を選ぶとか言うのもよいかとは思います。


レビュープラスさん経由で、「偉人の言葉で知る軍事」をいただいて、本エントリーは書いています。
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