人はわかりやすいその人にとって心地よい回答を望む 【説得と交渉】

  • 投稿 : 2011-07-14
  • 更新 : 2013-05-11
二酸化炭素が嫌いな人は、健康にいいキノコを買ったり、磁気ネックレスを愛用したり、水に毎朝挨拶をしたりする。こういうのはどれも、その人が「明快な解答が出せる問題」を好んだ結果なのだと思う。
説得の技術について - レジデント初期研修用資料
「人はわかりやすいその人にとって心地よい回答を望む」という結果なのだと思います。説得や交渉を目的とする場合は、間違っているとか正しいとかいう問題は些細な問題なのだと思います。

確かに、論理や記述が間違ってるとか正しいとかいうのが重要な局面もありましょうが、人生においてそれほどそのことが重要でない場合のほうが多かったりします。

正しさにこだわる人は、相手の気持ちや考えよりもその「正しさ」のほうが重要だと考える傾向にあり、その場合は「説得や交渉」に失敗します。「正しさ」にこだわる気持ちが同じな場合だけ、意思疎通ができ理解ができるのです。

その正しさや誠実さは、自分自身にとっての「正しさや誠実さ」であって、決して相手にとってはそうではないのです。

その「正しさ」にこだわる集団に属している限りそのことには気づきませんし、またその集団に属している限り、そのほかの考えを持った集団や人を、「論理的でない人々」「思慮が足りない人々」「だまされやすい人々」というレッテルを貼って阻害し理解しなくても困りません。

「説得や交渉」という分野においては、そういう知識階級層よりも、詐欺師のほうが能力が上なのです。

世の中には、人生の大事な局面を占いで決めたりする人もいますし、優秀な経営者でも非科学的で非統計的な手法で決める人が結構多いです。

人生の大事な局面を占いで決めるなんて信じられないと考えるかもしれません。それはあなたの考えなのです。人生の選択を「正しさ」や「統計」で決めても、それ以外で決めてもそれほど結果に差がないことも多いのではないでしょうか?

占いで決めるといっても、本当に決めてるのは本人自身です。それは、「人はわかりやすいその人にとって心地よい回答を望む」という原理がひとつの理由です。本人が絶対に望まない選択肢は選択できないのです。

占いも「正しさ」も「統計」も、結果として選択をうながし前に進む力を与えてくれるという点は共通しています。人は前に踏み出すときに、何かのきっかけや支えがほしいと思うのでしょう。

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