「体温を上げて免疫力アップ」というのは、嘘なのか?!を調べてみた

  • 投稿 : 2016-09-09
免疫をになう細胞「マクロファージ」が体温で活発になる仕組みを解明
―過酸化水素によって温度センサーTRPM2がスイッチ・オンする分子メカニズム―
免疫をになう細胞「マクロファージ」が体温で活発になる仕組みを解明―過酸化水素によって温度センサーTRPM2がスイッチ・オンする分子メカニズム―/自然科学研究機構 生理学研究所


研究グループは、マクロファージの免疫反応により産生される過酸化水素と、体温の温度センサーであるTRPM2とのかかわりに注目。温度センサーであるTRPM2は活性化物質が存在しない状態では48℃付近の高い温度にしか反応しないので、ふだんは体温では活性化しませんが(図1)、過酸化水素が産生されると平熱域(37℃)でも活性化するようになることをつきとめました。つまり、過酸化水素がTRPM2の働きを調節する「スイッチ」として働くことを発見しました。さらに、スイッチ・オンされたTRPM2の働きによって、異物を食べるマクロファージのはたらきが、発熱域(38.5℃)で、より増強することをつきとめました(図2)。
免疫をになう細胞「マクロファージ」が体温で活発になる仕組みを解明―過酸化水素によって温度センサーTRPM2がスイッチ・オンする分子メカニズム― - 生理学研究所

『体温』と『免疫をになう細胞「マクロファージ」』には関係性があることが分かっています(そのはず)。体温が高い方が、活性化するのもわかっています(そのはず)。

上記図でも、正常な「マクロファージ」は、体温が1.5度高いと、120%程度になっている。

じゃぁ、解熱剤は使わないほうがよいのか?!


Does the Use of Antipyretics in Children Who Have Acute Infections Prolong Febrile Illness? A Systematic Review and Meta-Analysis
当院の解熱薬に対する考え方

しかし、感染症における発熱は病原体の活動をおさえる体の防御反応であり、本当に薬で熱をさげてしまってよいのでしょうか?


論文は、発熱は生体の防御反応なので、解熱薬を使った方が感染症の治りが悪くなるのではないかという仮説にもとづいて検証されました。
 しかし、結果は逆となり、解熱薬に感染症からの回復を遅くする根拠はなかったと結論しています。


少しでも苦痛や倦怠感をやわらげ、熱のある間も食欲や体力のある状態をたもつ、これがうまい解熱薬の使い方だと考えます。

当院の解熱薬に対する考え方

使わないほうが良いとも言えないっていうのも、上記の論文データからわかるそうです。

体温と免疫力の話が書いてあるサイト

体温と免疫力の意外な関係 | 月別テーマ | サワイ健康推進課

特に参考文献とか書かれてません。

風邪・インフルエンザ対策!体温UPで免疫力を高める!? : タニタ運営[からだカルテ]

参考資料
1)「体温を上げると健康になる」 齋藤真嗣著 サンマーク出版
2)SUNDAY NIKKEI 日本経済新聞 2009年11月1日
3)「体温生理学テキスト」入来正躬著 分光堂 )

上記のサイトには、参考資料が上がっています。期待できそうなのは「3)「体温生理学テキスト」入来正躬著 分光堂 )」ですけど、どの程度のものか分かりません。

注意ポイント!!

調べるとき、考えるときに注意するべきポイントとして、上記のようなことがあろうと思います。

もちろん、基礎研究の内容をどう解釈すべきか?という話も別にあろうと思う。
つまり、そこまでは言い過ぎという部分も注意すべきポイントかなぁと思う。

あと、頭の中でのきれいな論理は、正しいかどうかは別ってところです。、それは解熱剤の例をみるとわかるかと思う。

複雑な要因がいろいろ混ざっているとか、実際にははっきりと解明していないとか・・・。

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